特別支援の不思議な世界

高校教師だった私が特別支援学校勤務をきっかけに知ったこと考えたこと

2020-05-11から1日間の記事一覧

ASDと統合失調症

自閉症スペクトラム障害(ASD)と統合失調症の類似性が指摘されている。ASDと統合失調症を見分けることは非常に難しく、ASDの概念が浸透していない過去の時代においては、ASDが統合失調症と誤診されたことも多かったらしい。また、ASDの2~3%の割合で、両者…

「社会モデル」の陥穽

人間がもっているはずの視力、聴力、臓器の働き、運動や知的能力などの基本的な機能について、一定の基準を満たさないとき、「障害者」として認定される。その判断をするのが医学的な知識を有する医師であることから、こうした障害の定義づけを「医学モデル…

奇妙な用語「合理的配慮」

最近はやりの、「合理的配慮」は奇妙な用語だ。言葉の意味をそのままとれば、配慮には合理的なものとそうでないものがあり、合理的な配慮をすべきだということになる。その場合、「合理的」とは、障害のある人たちにとって理にかなった、というニュアンスに…

奇妙な用語「就学免除・猶予」

日本で障害児教育の義務制が実施されたのは、1979(昭和54)年のことだ。それ以前は、「就学免除・猶予」の措置で、重度の障害児は事実上学校教育から除外されていたのである。 特別支援教育には、一般的な感覚から考えて理解しがたい奇妙な用語がいくつもあ…